企業のメンタルヘルス対策・EAP導入をお考えの方へ
このページでは、EAP(従業員支援プログラム)の導入を検討している企業のHR担当者・経営者の方に向けて、EAPの基礎知識や選び方、導入プロセスに関する情報をまとめています。臨床心理士・公認心理師の専門的な視点から、自社に合ったメンタルヘルス対策を検討する際の判断材料をお届けします。
EAP・企業向け情報の記事一覧
EAPサービス比較|自社に合う従業員支援プログラムの選び方
EAP(Employee Assistance Program/従業員支援プログラム)は、従業員の心身の不調やキャリア・家庭の悩みなどを専門家が支援し、パフォーマンスの回復・向上と組織の生産性向上を図る仕組みです。自社に専門部署を置く「内部EAP」と、外部の専門会社に委託する「外部EAP」があり、コストや専門性の幅広さから外部EAPを選ぶ企業が大半です。
パワハラ防止法によるハラスメント相談窓口の設置義務化、労働安全衛生法改正による50名未満事業場へのストレスチェック義務化(2026年より段階的実施)など、法令対応の観点からもEAP導入企業が増えています。
比較の4つの軸
EAPサービスを選ぶ際は、以下の4点を軸に検討すると自社に合ったサービスを見つけやすくなります。
- 提供サービスの範囲 — メンタルヘルスに特化しているか、健康相談や法律相談まで含むか、家族も利用対象か
- 専門人材の種類と質 — 臨床心理士・公認心理師・精神保健福祉士など資格の種類、産業医・保健師との連携体制
- 相談方法と対応範囲 — 電話・オンライン・対面(出張)・メールのどれに対応しているか、全国対応か都市部限定か
- 効果測定のしやすさ — 利用状況レポートやストレスチェックの分析機能があるか
料金は非公開(要問い合わせ)の事業者がほとんどで、比較サイトでも「※料金はすべて要問い合わせ」と注記されるのが一般的です。産業医連携型のサービスは月額料金を公開しているケースがあります。
タイプ別・主要EAPサービス比較表
▲上下・左右にスクロールできます(見出し行は固定表示)
| サービス名 | 提供会社 | タイプ | 相談方法 | 特徴 | 料金目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| EAP 従業員支援プログラム | ピースマインド株式会社 | 相談窓口特化 | 電話(専用ホットライン) オンライン予約制 | CEAP(国際EAPコンサルタント)資格者が対応。 セルフケア/ラインケアの2プラン | 要問い合わせ |
| JESのサービス | 株式会社ジャパンEAPシステムズ(JES) | メンタルヘルス特化 | 相談窓口+研修 | 企業担当カウンセラーと相談担当カウンセラーの二重体制。 独自ストレスチェック「J-SAP」 | 要問い合わせ |
| アドバンテッジEAP | 株式会社アドバンテッジリスクマネジメント | メンタルヘルス特化 | 電話/オンライン/対面 | 国内最大規模。 1名の臨床心理士が相談者情報を一元管理し継続的にケア | 要問い合わせ |
| セーフティネット | 株式会社セーフティネット | メンタルヘルス特化 | 電話/メール等 「なんでも相談窓口」 | 官公庁含む2,000社超の実績。 ハラスメント対応・行動変容プログラムに強み | 要問い合わせ |
| 現場型EAPカウンセリング | MBK Wellness株式会社 | 定着・復職支援 | 出張面談(全国) オンライン/電話 | 完全担当制。 産業医・人事・主治医・家族と連携した復職支援に強み | 要問い合わせ |
| EAPサービス | 株式会社Eパートナー | 定着・復職支援 | 出張カウンセリング (海外含む全国対応) | 伴走型で予防〜復職支援まで一気通貫。 拠点巡回型で研修・産業医連携も対応 | 要問い合わせ |
| 外部相談窓口・EAPサービス[アンリ] | 株式会社ドクタートラスト | 相談窓口特化 (ハラスメント対応) | 電話/オンライン等 | 保健師・精神保健福祉士・公認心理師が一次対応。 保育士等も在籍し育児相談も可 | 要問い合わせ |
| M3PSP | エムスリーヘルスデザイン株式会社 | 健康相談までカバー | 電話/オンライン | 医師ネットワーク基盤。 メンタルに加え生活習慣病対策やマルチオピニオンも | 要問い合わせ |
| ティーペック | ティーペック株式会社 | 健康相談までカバー | 電話 (24時間365日) | 年間約100万件の相談実績。 法律相談・海外赴任者向け医療相談も | 要問い合わせ |
| リモート産業保健 | 株式会社エス・エム・エス | 産業医連携型 | Web/電話 | 産業医+産業看護職の2名体制。 ストレスチェック・衛生委員会運営も対応 | 月額30,000円〜 (50名以上・初期費用50,000円) |
| スマート産業医 | 株式会社INTERMIND | 産業医連携型 | オンライン | 精神科産業医中心。 オプションで外部EAP設置可 | 月額30,000円〜 (LIGHTプラン) |
| 産業医with | SOMPOヘルスサポート株式会社 | 産業医連携型 | 電話/対面 | SOMPOグループ。 専属・嘱託・スポットに対応 | 月額37,125円(税込)〜 (嘱託・隔月1回1時間・年間契約) |
色分け: 相談窓口特化 メンタルヘルス特化 定着・復職支援 健康相談までカバー 産業医連携型
※料金は2026年7月時点の公開情報に基づく目安です。多くの事業者が個別見積もりのため、実際の導入時は必ず各社に直接お問い合わせください。
課題別の選び方
法令対応(ストレスチェック・ハラスメント相談窓口)を優先したい場合 リモート産業保健やスマート産業医など産業医連携型は、ストレスチェックや衛生委員会運営など法定業務を低コストでカバーできます。ハラスメント対応の事後フォロー(報告書・改善提案)まで求めるなら、アンリ(ドクタートラスト)やセーフティネットが選択肢になります。
離職防止・休職者の復職支援を重視したい場合 現場型EAPカウンセリング(MBK Wellness)やEパートナーのEAPサービスのように、出張面談・完全担当制で産業医や主治医と連携する「定着・復職支援型」が向いています。担当カウンセラーが継続して関わる分、信頼関係を築きやすいのが特徴です。
拠点が全国に分散している企業 出張カウンセリングに対応する現場型EAPカウンセリングやEパートナーは、地方拠点や海外拠点でも本社と同水準のサービスを提供できる点が強みです。
コストを抑えて相談窓口だけ整備したい場合 電話・オンライン中心の相談窓口特化型(ピースマインド、アンリ等)は、常駐スタッフを抱えずに済むため比較的導入しやすい形態です。
健康相談やプライベートの悩みまで幅広くカバーしたい場合 M3PSPやティーペックのように、メンタルヘルスに加えて医療相談・法律相談まで扱う「健康相談までカバー」タイプが福利厚生の充実につながります。
規模別の選び方
- 中小企業(〜300名程度):産業医連携型の中では比較的低価格帯のスマート産業医やリモート産業保健、または相談窓口特化型が導入しやすい規模です。
- 中堅〜大企業:メンタルヘルス特化型(JES、アドバンテッジEAP等)や、レポーティング機能で効果測定をしやすいサービスが向いています。
- 拠点分散・海外拠点あり:出張対応に強い現場型EAPカウンセリングやEパートナーが候補になります。
まとめ
EAPサービスは「健康相談までカバー」「メンタルヘルスケア特化」「定着・復職支援」「相談窓口特化」「産業医連携」の5タイプに大別できます。料金の多くは要問い合わせのため、まずは自社の課題(法令対応/離職防止/拠点対応/コスト)を明確にした上で、2〜3社に資料請求・見積もりを取って比較することをおすすめします。
参考: EAPサービスの比較14選。5つのタイプに分けて選び方を紹介|アスピック
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